SQLインジェクションとは?リスクと対策方法について詳しく解説
現代のデジタル社会では、日常生活においてその多くがインターネットを通じて行われています。
オンラインショッピングやSNS、クラウドサービスなど、便利な一方で、このようなサービスにはさまざまなセキュリティリスクが潜んでおり、特に「SQLインジェクション」と呼ばれる攻撃手法は、データベースを利用するWebアプリケーションにおいて、個人情報や機密データが脅かされる重大な脅威の一つです。
そこで本記事では、SQLインジェクションの基本的な概念から、その仕組みや実際の事例、さらに効果的な対策方法について見ていきます。
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SQLインジェクションとは
SQLインジェクションとは、データベースと連携する ウェブアプリケーションにおいて、攻撃者が不正なSQL文を入力することで、データベースを操作して情報を盗み出したりWebサイトの改ざんを行ったりする攻撃手法です。
SQLインジェクションはWebアプリケーションのセキュリティホールを狙った攻撃の一つであり、特に脆弱なWebサイトでは簡単にできてしまう可能性があります。
この攻撃は、多くの場合、ユーザーからの入力を適切に検証せずにSQLクエリに直接組み込んでしまうことで発生します。
例えば、ログイン画面や検索機能などで、攻撃者が意図的にSQL文を含んだデータを入力し、アプリケーションがそのままSQL文の実行をしてしまうことがきっかけとなります。
このようにSQLインジェクションは、特定の条件を満たすことで非常に強力な攻撃となり得るため、注意が必要です。
SQLインジェクションの仕組み
SQLインジェクションの具体的な仕組みとして、主に以下が挙げられます。
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脆弱なWebアプリケーション: 開発者が、ユーザー入力を適切にエスケープ処理せずにSQLクエリに組み込んでしまう場合があり、そこで攻撃者が意図的がSQL文が含まれた悪意のある入力を送信する。
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悪意のある入力: 例えば、ログインフォームの入力欄に通常のユーザー名やパスワードではなく、特別な文字を使ったデータを入力し、その入力がそのままSQLクエリに組み込まれると、システムが誤って全てのユーザーが認証されたと判断してしまう。
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不正なSQLクエリの実行: 上記のような入力がデータベースに送信されると、データベースは不正なSQLクエリを実行してしまい、本来アクセスできないはずのデータへのアクセスや、データ変更をされたりする。
例えば、あるシステムが「ユーザー名」と「パスワード」を使ってログインを確認するとします。本来の正しい入力は「ユーザー名: user、パスワード: pass」ですが、攻撃者は次のように入力します。
ユーザー名: ' OR '1'='1
パスワード: ' OR '1'='1
この入力によって、システムは「ユーザー名が何であってもログイン成功」と誤って判断してしまい、その結果、攻撃者は全てのユーザーとしてシステムに不正にアクセスできるようになってしまいます。
このように、SQLインジェクションは非常に危険な攻撃手法であり、注意が必要です。
被害と被害事例
SQL インジェクションによる被害には、主に以下のようなものがあります。
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機密情報の漏洩:データベースからユーザーの個人情報、パスワード、クレジットカード情報などが不正に取得されるケースがあり、特に企業が扱う顧客データが盗まれると、深刻な信用失墜につながる。
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データの改ざん・破壊:攻撃者がデータベース内の情報を削除や変更することにより、サービスの運用に重大な支障が発生する可能性がある。
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管理者権限の乗っ取り:SQLインジェクションを利用して管理者権限を不正に取得し、システム全体の操作ができるようになるケースもあり、それによって、システム全体が攻撃者の手に落ちる可能性がある。
被害事例
実際の被害としては、以下が報告されました。
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ECサイトから個人情報流出:2020年4月に事務用品を扱うECサイトに不正アクセスがあり、クレジットカード情報を含む顧客情報などのが大量に流出した可能性があるという事例が発生した。この不正アクセスはSQLインジェクション攻撃によるものであると報告されており、その対策として、サイトが一時閉鎖された。
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クレジットカード決済システムにおける被害:クレジットカード決済システムにおける、SQLインジェクションの被害が報告されており、その報告によると、データベースの中から数十万件のクレジットカード番号や有効期限、セキュリティーコードなどの流出が確認された。
想定される被害の影響
SQLインジェクション攻撃にあうと、個人情報や顧客情報が盗まれるだけでなく、企業や組織の信用が著しく損なわれる可能性があります。
さらに、顧客からの信頼を失うだけでなく、セキュリティ関連などの法律的な問題や多額の罰金が発生するリスクもあります。
また、被害が長期間続くと、ビジネス運営に大きな影響を及ぼし、最悪の場合は事業の継続が困難になることも考えられます。
例えば、個人情報保護法などの法的規制に違反した場合、大規模な訴訟や多額の罰金が発生する可能性もあります。
対策方法
では、SQLインジェクションへの対策として、どのようなものが効果的なのかを以下で見てみましょう。
セキュリティパッチの適用
開発者は、使っているデータベースやアプリケーションのソフトウェアが常に最新の状態であるにしておく必要があります。
サイバー攻撃は日々進化しており、サイバー犯罪者にシステムやWebアプリケーションの脆弱性を新たに発見されてしまうことがあるため、ソフトウェアのベンダーから提供されるセキュリティパッチを定期的に適用し、古いバージョンを使い続けないようにすることが非常に重要です。
この作業を怠ると、攻撃者に悪用される危険性が高まりますが、最新のセキュリティ対策を講じることで、SQLインジェクションやその他の攻撃からシステムを守ることができます。
権限管理の徹底
データベースにアクセスできるユーザーの権限を適切に設定することも重要です。
全てのユーザーが無制限にデータにアクセスできるような状態にするのではなく、特定のデータにアクセスできる人を制限することで、万が一攻撃者が侵入した場合でも、被害を最小限に抑えることができます。
つまり、必要な権限だけを与え、不要な権限は取り除くようにしましょう。
また、定期的に権限の見直しを行い、ユーザーの役割や業務内容に応じて適切なアクセス権を維持することが重要であり、それによって、内部からのリスクも管理することができます。
強力なパスワード管理
SQLインジェクション攻撃を防ぐには、システムへの不正アクセスを防ぐことが重要であることから、強力で複雑なパスワードの設定や、パスワードの定期的な変更が求められます。
ただ、すべてのパスワードを手動で管理するのは大変なので、TeamPasswordのような強力なパスワード管理ツールの利用をおすすめします。
このようなツールは、ランダムで強固なパスワードを自動生成し、安全に保存してくれるため、ユーザーは複数のアカウントを安心して管理できます。
特に、チームでの利用ができるツールを選ぶと、パスワードの共有や権限管理がスムーズになり、情報漏洩のリスクの大幅な低下につながります。
TeamPasswordでSQLインジェクション対策
TeamPasswordには以下のような機能があるので、システムへの不正アクセスを防ぎ、強固なセキュリティを確保することができます。
簡単なパスワード共有
TeamPasswordには、チームメンバー間でパスワードを安全に共有する機能があり、必要な情報だけを選んで共有できるため、チーム全体でアクセス権限を簡単に管理できます。
強力なパスワード生成
TeamPasswordには自動的に複雑なパスワードを生成する機能があり、セキュリティの高いパスワードを手軽に作成できることから、各アカウントに強固なパスワードを設定することができ、それで攻撃リスクが大幅に下がります。
権限管理の柔軟性
TeamPasswordでは、ユーザーごとに異なる権限を設定できるため、特定のメンバーのみのアクセス許可が可能です。この柔軟な権限管理によって、必要な人しか重要な情報にアクセスできないようになり、セキュリティの強化につながります。
TeamPasswordでSQLインジェクションの対策をしっかりと行い、個人情報などの大切なデータを守りましょう。TeamPasswordの機能のお試しをご希望の方は、こちらから無料トライアルをぜひご体験ください。