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サイバーセキュリティにおけるマシンラーニング(機械学習)とは?

【2025年向け】サイバーセキュリティにおけるマシンラーニング(機械学習)とは?

January 2, 20251 min read

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティの状況は常に進化しており、サイバー犯罪者はネットワークに侵入して機密データを盗むために、これまで以上に磨き上げられた戦術を取り入れています。

しかし、幸いなことに、防衛側も手をこまねいているわけではありません。

マシンラーニング(機械学習、ML)がサイバー犯罪との戦いにおける強力なツールとして登場しており、脅威の積極的な検出、応答時間の短縮、攻撃者の行動のより深い理解などが実現しますが、その魅力的な可能性について掘り下げる前に、共通の基盤を作っていきましょう。

    Table of Contents

      サイバーセキュリティにおけるマシンラーニング(機械学習)とは

      簡単に言うと、マシンラーニング(機械学習)で、明示的なプログラミングなしに、コンピュータは膨大な量のデータから「学習」することができるようになります。山のようなネットワーク・ラフィック、セキュリティログ、脅威インテリジェンスをふるいにかけることを想像してみてください。これは人間にとっては途方もない作業ですが、機械学習アルゴリズムにとっては簡単な作業です。

      では、マシンラーニングは具体的にどのようにサイバーセキュリティにとって有益なのでしょうか。以下で見てみましょう。

      • サイバー脅威の検出と防止:機械学習アルゴリズムは、膨大なデータセットを分析して、ネットワークトラフィック、メール、ユーザー行動の疑わしいパターンを特定することができる。この積極的なアプローチにより、脅威の早期発見と迅速な対応ができるようになり、重大な被害がもたらされる前に攻撃を防止できる可能性がある。
      • 行動分析:不審な行動の特定だけでなく、ネットワークや個々のユーザーの「正常な」行動の理解もできるシステムがあるとしたら、それがマシンラーニングによる行動分析の力である。基盤を確立することで、システムは確立されたパターンから逸脱した異常を検出できることから、内部脅威や標的型攻撃を発見できるようになる。
      • 日常的なセキュリティタスクの自動化:セキュリティ専門家は、ログ分析や脆弱性スキャンなどの反復的なタスクに追われることが多いが、マシンラーニングでそのようなプロセスが自動化されることから、より戦略的な脅威ハンティングやインシデント対応に貴重な時間とリソースを割くことができる。

      サイバーセキュリティにおける AI の現状とその限界については、以前の英語版ブログ「How is Cybersecurity AI Being Improved? Shortcomings and Growth.(サイバーセキュリティAIはどのように改善されているのか?)をご覧ください。

      関連記事(英語)How to Prevent Man-in-the-middle Attacks - 5 Steps(中間者攻撃を防ぐ方法 - 5つのステップ)

      2025年の主なサイバーセキュリティ動向

      マシンラーニングの威力を理解したところで、2025年のサイバーセキュリティの展望を形作る主なトレンドを探ってみましょう。

      • APT(高度な持続的脅威):この高度な攻撃は、ステルス性と執拗さで有名であり、ソーシャルエンジニアリング、マルウェア、ゼロデイ攻撃など、多方面からのアプローチを採用してネットワークにアクセスしてデータを盗み、長期間にわたって検出されないままでいる。マシンラーニングは、APT の検出において画期的な存在であることが証明されており、ネットワークトラフィックパターン、ユーザーの行動、通信ログを分析することで、機械学習アルゴリズムは APT 攻撃の進行中を示す可能性のある微妙な異常を識別できる。これにより、セキュリティチームは迅速に対応し、これらの脅威による被害を最小限に抑えることができる。
      • ゼロデイ攻撃:これはセキュリティ専門家の悪夢であり、これまでセキュリティベンダーが知らなかったソフトウェアの脆弱性を狙い、パッチが開発・配備される頃には、攻撃者はすでに脆弱性を悪用してシステムにアクセスしている可能性がある。マシンラーニングはゼロデイ攻撃を完全に防ぐことはできないが、潜在的な脆弱性を持つシステムを特定する上で重要な役割を果たすことができる。ネットワークトラフィックとユーザーの行動を分析することで、機械学習アルゴリズムは悪用が進行していることを示す異常を検出することができ、この早期警告により、セキュリティチームは、恒久的なパッチが利用可能になるまで、侵害されたシステムを隔離したり、一時的な緩和策を導入したりするなど、迅速な対応を取ることができる。
      • クラウドのセキュリティ:リモートワークの台頭とクラウドサービスの導入拡大により、クラウドセキュリティに大きな負担がかかっている。機密データに世界中のどこからでも簡単にアクセスできるようになり、クラウドコンピューティングのデータセキュリティは不可欠な教育分野となっているが、幸いなことに、マシンラーニングには以下のようなクラウドセキュリティのための強力なツール群がある。
        • 予測分析:マシンラーニングは、過去のデータを分析して潜在的なセキュリティインシデントを予測することができる。これにより、セキュリティチームは、攻撃が発生する前に、積極的に脆弱性に対処して予防策を講じることができます。
        • インシデントレスポンスの自動化:不運にもセキュリティ侵害が発生した場合、マシンラーニングによって、感染したシステムの隔離やフォレンジック証拠の収集など、インシデント対応プロセスのさまざまな側面を自動化することができる。これにより、侵害の特定と封じ込めにかかる時間が短縮されるだけでなく、潜在的な被害も最小限に抑えられる。
        • 不正行為の検知:機械学習アルゴリズムは、膨大な量の金融取引を分析して、リアルタイムで不正行為を特定することができる。これで企業を金銭的損失から守るだけでなく、顧客の信頼も保たれる。
        • ネットワークトラフィックの分析:マシンラーニングにより、ネットワークトラフィックを監視して、マルウェア、データ流出、その他の悪意のあるアクティビティを示す不審なパターンを検出することができる。この継続的な監視により、セキュリティチームは脅威の迅速な特定および対処ができる。

      マシンラーニングは諸刃の剣

      マシンラーニングは、サイバーセキュリティチームの新入りとして頭角を現しています。人々が「フィッシング詐欺」と言うよりも速くデータを処理し、輸入禁止品を嗅ぎ分ける検疫探知犬のように異常を嗅ぎ分け、どんなに忍耐強いセキュリティのプロでも音を上げるようなタスクを自動化できます。ただし、問題はそこです。マシンラーニングはスカイネットではありません。トラブルを察知する第六感を持つ、ベテランのセキュリティアナリストの代わりにはならないのです。

      自動化に頼りすぎると、微妙な脅威を見逃したり、不適切な応答の波を引き起こし、システムを混乱させてしまうなど、災難を招くことになります。

      そのため、コンテクストと経験が重要であることを忘れないでください。高度なアルゴリズムだけでは再現できないものです。

      サイバーセキュリティにおけるマシンラーニングのメリット

      従来のセキュリティ対策は優れていますが、特にしつこいモグラ叩きをしているようなものであり、攻撃されるのを待ってから対応するようなものです。対するマシンラーニングはその逆を行きます。積極的で、膨大な量のデータを常に分析し、差し迫った攻撃のシグナルとなるパターンや異常を特定します。

      ネットワークトラフィック、メール、ユーザーアクティビティが、毎日洪水のように押し寄せ、そのデータを手作業で選別するのは不可能に近い作業ですが、機械学習アルゴリズムはそのすべてを分析し、マルウェアやフィッシングの試み、その他の悪意のある活動を示す不審なパターンを検索することができます。これは、24時間365日、疲れを知らないセキュリティアナリストが勤務し、トラブルのかすかなニオイさえもネットワークでスキャンしていると考えてください。

      マシンラーニングで、面倒なセキュリティタスクの多くも自動化されます。ログを分析し、脆弱性を特定するために費やされた果てしない時間を覚えていますか。マシンラーニングがそれを処理することで、セキュリティチームは脅威の発見やインシデント対応といった、より戦略的な取り組みに集中することができます。

      要するに、マシンラーニングはセキュリティチームに取って代わるものではなく、セキュリティチームを補強し、より効率的かつ効果的にするために必要なツールやインサイトを提供してくれるものです。優秀な兵士にジェットパックを持たせるようなもので、彼らが指揮を執ることに変わりはないですが、より広い範囲をカバーし、より迅速に脅威を特定できるようになります。 日進月歩のサイバー犯罪との戦いにおいて、これは画期的なことです。

      サイバーセキュリティにおけるマシンラーニング導入の課題

      機械学習アルゴリズムには、学習させたデータと同程度の性能しかなく、偏ったデータを与えれば、偏った結果が得られます。これは、脅威のカテゴリー全体を見落とすということであり、ここで透明性が重要になります。そこでこのようなアルゴリズムの内部を覗き込み、それがどのように決定を下すのかを理解し、サイバーセキュリティに関して優遇措置を取っていないことを確認する必要があります。

      最後に、説明可能性について見てみましょう。マシンラーニングは時に、最善の意図をもってしても、キラーパスをよこしてきます。機械学習システムは特定のアクティビティを疑わしいものとしてフラグ付けする場合がありますが、それはなぜでしょうか。その決定の背後にあるロジックを解読できない場合、その修正や、モデルのパフォーマンスの改善をする方法はありますか。セキュリティチームには、このようなアルゴリズムのコードを解読してその推論を理解し、暗闇の中で無茶苦茶に試行錯誤しているだけではないことを確認するためのツールが必要です。

      関連記事2020年の任天堂のデータ流出で起こったこと

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