デジタル時代にはパスワードがつきものです。
どのアカウントにも同じパスワードを使うことの危険性は、誰もが知っていることで、それは言うなれば、家中の部屋や金庫の鍵を開けて、玄関をどかんと開けっ放しにするようなものですよね。でもアカウントにそれぞれユニークで強力なパスワードを作成するのは大変なことです。
サードパーティのパスワードマネージャーは安全な選択です。インターネットブラウザもよく選ばれる選択肢のひとつであり、Chromeは、Googleが2008年に開発・リリースしたインターネットブラウザになります。当初は Windows XP 用にデザインされましたが、現在では Mac、PC、あらゆる種類のモバイルデバイスを含む数々のプラットフォームと互換性があります。
2022年、Chrome は世界のデスクトップWebブラウザの戦いを支配し、約70%のシェアを獲得しました。その人気の理由は、主に使いやすさと、広告ブロックや言語翻訳などの拡張機能などのカスタマイズ・オプションにあります。Google Chrome では、パスワードをブラウザに簡単に保存して保管できるため、パスワードの記憶や、手入力の必要がありません。しかもこれは無料なので、すでに入手しているようなものです。ただこの方法で、安全にパスワードを保存できるのでしょうか?本記事では、Chromeのパスワードの安全性について知っておくべきことをすべてお話します。
Google Chromeのパスワードマネージャーは安全か
パスワード マネージャーがないよりはましですが、Chrome のパスワードの安全性は改善の余地がありそうです。Chromeのパスワードセキュリティの最重要問題の1つは、Chromeはパスワード管理のために作られたのではないという点です。パスワードマネージャーは追加された機能であり、後付けされたものです。Chrome は、Web ブラウザとしてのみ構築および最適化されたのです。
そのため、Chromeのパスワードの安全性は、専用のパスワードマネージャが提供するものと同等になることはないでしょう。言うなれば、近所の喫茶店で買うクロワッサンと、フランスで修行したパン職人が経営するお店のクロワッサンくらい違います。お菓子でもパスワード管理でも、専門化することで優れた製品が生まれるのです。ただ、Chromeのパスワードセキュリティの問題は、もっと深いところにあります。
Chromeのパスワードは基本的で固定されている
Chromeのパスワードの基本的な特徴の一つは、人間がその場で推測することがほぼ不可能な、文字、数字、記号を長く並べたものである「強力な」パスワードの作成を提供していることです。
問題は、こういったパスワードは複雑に見えますが、通常は修正が必要であり、カスタマイズするためのオプションが必要なことです。パスワードを長くしたり、文字を増やしたり、Googleに提案の送信と保存を許可する以上のことはできないのです。パスワードの安全性については、Chromeは利便性の名の下に、有無を言わさず主導権を握ります。ただ、「コントロール」と「利便性」は対価に当たるのでしょうか?簡単に言えば、「NO」です。
Googleパスワードマネージャーがハッキングされる可能性
Chromeのパスワードの安全性についての最大の問題は、ここまで取っておきましたよ。
Chromeパスワードやブラウザベースのパスワードマネージャーを使用する場合、アカウントへのアクセスは、デバイスへのアクセスと同じくらい簡単です。オフィス、カフェ、地下鉄でブリーフケースがうっかり置き忘れられた場合、そのデバイスを手にした人は、Chromeパスワードに保存されている全アカウントにアクセスできます。これでは、ハッキングされる可能性が高くなります。
ほとんどの人は、Chrome アカウントを複数のデバイスで同期していますが、どのデバイスがアクセスできるかを忘れがちです。それはここで確認しましょう。専用のパスワードマネージャーは、別の「マスター」パスワードでのログインを要求することでユーザーを保護し、パスワードは一定時間が経過すると自動的にロックされます。
Chromeのパスワードの作成および保存法
Google Chromeの利便性は、多くのユーザーを夢中にさせるものです。無料な上に、インストールも不要です。
その仕組みは次のとおりです:新しいウェブサイトで初めてパスワードを入力すると、Chrome はパスワードを保存するかを確認するプロンプトを送信します。そこで『保存 』か『今はしない 』の選択ができます。
多くの人にとって、この小さなポップアップはありがたいものです。『保存』をクリックすれば、パスワードを記憶したり、どこかに記録したりする必要がないため、紛失や盗難の恐れがなく、安心できますからね。ところが、その安堵感はいささか見当違いなのです。
専用パスワードマネージャーは価値があるか
これは、本人にしかできない選択です。Chromeのパスワードを無効にして、専用のパスワードマネージャに切り替えることを迷っている場合は、以下の状況を考えてみてください。パスワードが漏えいしたらどうなるか想像してみてください。ある日、目が覚めたら、何の前触れもなく、個人用と仕事用のメール、ネットバンキング、普段使うネットショップ、保存してあるクラウドデータ、SNSのアカウントにアクセスできなくなるのです。すべてロックされ、お手上げ状態です。
もっとひどいと、何者かにIDを盗まれたことが明るみになるようなクレジットカードの高額請求書などが届いてから、実はハッキングされたのだとわかることもあります。これは人生を左右する出来事になりかねませんよね。その結果を元の状態に戻そうとしようものなら、時間的にも金銭的にも非常に大きな負担となります。そこでパスワードマネージャーを使えば、このような大変な事態を未然に防ぐことができます。Google Chromeのように無料ではありませんが、投資の価値は十分にあります。
Chromeのパスワードセキュリティの問題を回避する代替案
TeamPassword は、パスワードを保存・管理するための速くて安全で簡単なソリューションを提供し、Chrome パスワードのセキュリティ問題にも無防備になることはありません。また、TeamPassword には Chrome 拡張機能があり、個人と会社のログイン情報をすべて保持することができるのも利点です。さらに、何者かによるデバイスへのアクセスがあったとしても、マスターパスワードとGA(Google Authenticator)へのアクセスがなければ、TeamPasswordのアカウントにアクセスすることはできません。
TeamPasswordは、サイバーセキュリティに特化したアプリです。パスワードは単なる追加機能ではなく、私たちが提供できる全てなのです。追加機能として、パスワードジェネレーターとパスワード強度テスターがあります。カスタマイズ可能なパスワードジェネレーターは、パスワードの作成に行き詰まったときに便利な上に、現在のパスワードが安全かどうかをテストすることもでき、ハッキングされるまでの推定時間も表示されます。
あらゆるブラウザやデバイスで使用できる強力なパスワードを作成、カスタマイズして、いつでもどこでも必要なときに全パスワードにアクセスしましょう。TeamPasswordがあれば、悪い人の手にデバイスが渡ったとしても、パスワードは安全に保護されます。というわけで、Chromeのパスワードマネージャーを使うのは便利なようですが、パスワード保持において一番安全な方法だとは言えないのです。