Emotet(エモテット)とは?悪質なマルウェアの脅威とその対策について解説
(※この記事は、2024年6月7日に更新されました。)
近年、サイバー犯罪の脅威はますます深刻化しており、その中でもエモテットという名前が頻繁に取りざたされるようになりました。
そこで本記事では、エモテットについて、その手口や対策など関連情報をわかりやすく解説していきます。
【目次】
Table of Contents
マルウェア「Emotet(エモテット)」とは?
エモテットはわかりやすく言うと、悪意のあるソフトウェアの一種であり、一般的に、「トロイの木馬」として知られるタイプのマルウェアです。
2014年に初めて確認され、元々は金融機関からの情報を盗むために設計されたものでしたが、その後に機能が拡張され、スパムメールの配信や他のマルウェアの拡散など、さまざまな悪意ある活動に使用されるようになりました。
エモテットは、感染したコンピューターに侵入し、個人情報や機密情報を盗み出すことがあります。
また、他のマルウェアやスパムメールの配信にも使われることがあります。
そしてこの種のマルウェアは、セキュリティ対策ソフトウェアを回避するための技術的手段を持っていることが多く、その存在が確認されたり、検出や除去されるのが難しい場合があります。
エモテットの特徴と手口
Emotet(エモテット)の特徴と攻撃の手口には以下が挙げられます。
感染経路
エモテットは、主に不正なメールに添付されたファイルやリンクを介して感染を広げ、一般的に、ユーザーは偽の請求書、配送通知、銀行明細書などを装った攻撃メールを受信して、添付ファイルを開いたりリンクをクリックして開いてしまったりすることで感染します。
潜在的な被害
エモテットは、感染したコンピューターから個人情報や機密情報を盗み出す可能性があり、これには、銀行口座情報やクレジットカード情報などの金融情報が含まれることがあります。
バックドア機能
エモテットは、感染したコンピューターにバックドアを設けて、遠隔からアクセスできるようにするすることがあります。
それによって、攻撃者はコンピューターを制御し、さまざまな悪意のある活動を行うことができるようになるのです。
ボットネットの構築
エモテットは、感染したコンピューターをボットネットに組み込むことがあります。
それによって、攻撃者は、例えばスパムメールの配信や DDoS(分散型サービス妨害)攻撃などの大規模な攻撃を実行するためにボットネットを利用できます。
更新と変化
エモテットは、継続的な更新や、新たなバージョンのリリースあることから、セキュリティ対策ソフトウェアを回避できたり、感染の検出や除去がされにくい場合があります。
総じて言えば、エモテットは高度なマルウェアであり、その攻撃手口は多岐にわたります。
エモテットに感染するとどうなる?
Emotetに感染すると、コンピューターやネットワークに以下のような深刻な影響が及ぶ可能性があります。
パフォーマンスの低下
エモテットは、感染したコンピューターのリソースを消費し、パフォーマンスを低下させることがあります。
これにより、プログラムの起動や実行が遅くなり、一般的な操作ができにくくなる場合があるのです。
機密情報の盗難
エモテットは、感染したコンピューターでパスワードや銀行の口座情報、クレジットカード番号など、入力された機密情報を盗むことができる可能性があります。
他のマルウェアの拡散
エモテットは、ほかのマルウェアやランサムウェアの拡散手段としてよく使われ、Emotetに感染したコンピューターは、ボットネットに組み込まれて他のコンピューターにスパムメールを送信するなどして、さらなる感染を広げる可能性があります。
不正な活動への利用
Emotetに感染してしまったコンピューターは、攻撃者によって、例えば DDoS(分散型サービス妨害)攻撃の実行や、他の組織への侵入などの不正な活動に利用されることがあります。
身代金要求
エモテットバリアントには、ランサムウェアの機能があるものもあり、ファイルを暗号化して復号化キーの提供と引き換えに身代金を要求することがあります。
これにより、重要なデータが利用できなくなり、被害者は身代金を支払うか、データを失うかの二者択一に迫られることがあるのです。
被害が拡大・深刻化した理由
何がEmotetの被害をここまで広げて、深刻化させたのでしょうか。
以下でその理由を見てみましょう。
高度な機能
エモテットは高度な機能を持つマルウェアであり、感染したシステムで情報を盗んで悪用し、追加の攻撃を行うことができることから、検出と駆除が難しく、被害が広がりやすくなるのです。
多様な攻撃手法
エモテットはフィッシング攻撃やスパムメールを使って感染を広げますが、その他にもソーシャルエンジニアリング技術も使われたり、被害者をだまして感染させる手法が多くあります。
組織的な運営
エモテットは組織的な犯罪グループによって運営されていて、専門家や資金を持って攻撃を行います。
このような組織的な運営により、エモテットは効果的に運用されて被害が深刻化します。
以上の要因が組み合わさって、エモテットの被害が拡大して深刻化したと思われます。
エモテットのテイクダウン(無害化)、再拡大・再々拡大について
Emotetの攻撃は、過去に複数のテイクダウンが行われましたが、その都度再び活動を再開してきました。
テイクダウン後、エモテットの開発者は新たなインフラや手法を開発し、再び感染を広げるサイクルが続いています。
近年、国際的な法執行機関とセキュリティ企業の協力により、一時的に感染が減少したものの、開発者の再度の活動再開により感染が再拡大し、被害も確認されています。
このようなサイクルが繰り返され、エモテットは一時的にはテイクダウンされるものの、再び活動を再開することがあります。
エモテットの対策
エモテットなどのマルウェアから身を守るための対策としては、以下が挙げられます。
セキュリティ運用の外部委託
セキュリティ運用業務を専門の外部パートナーに委託することで、組織内のセキュリティリソースを節約し、効率的にセキュリティ対策を実施することができます。
また、外部委託により、セキュリティ運用の専門知識や経験を活用し、組織全体のセキュリティを上げことも可能です。
セキュリティポリシーの策定と従業員教育
組織内でセキュリティポリシーを策定し、従業員に対してセキュリティ意識を高めるトレーニングを実施することが重要です。
従業員がセキュリティの重要性を理解し、適切な対策を実施することで、マルウェアからのリスクが軽減されます。
パスワード管理ツールの使用
パスワード管理ツールを活用することで、組織内のパスワードの管理を効率化し、セキュリティを強化することができます。
また、強力なパスワードの生成や定期的な変更、アクセス制御などを行うことで、エモテットなどのマルウェアを回避することも可能です。
これらは強力な対策ですが、お金や時間がかかってしまうものもあります。
この中で比較的簡単に始められるのはパスワード管理ツールの使用であり、その中でもTeamPasswordはすぐに導入が可能です。
TeamPasswordでエモテット対策
TeamPasswordは強力なパスワード管理ツールであり、エモテットなどのマルウェアからの保護に役立つさまざまな機能があります。
その中でも特に有効な機能を以下でご紹介します。
強力なパスワード生成機能
TeamPasswordには、ランダムで強力なパスワードを生成する機能があり、この機能を使用することで、セキュリティの強化や、エモテットなどのマルウェアからの保護が確保されます。
また、パスワードの強度をチェックする機能もあるので、既存のパスワードの強度をチェックすることができます。
その際に十分な強度があればそのまま使えますし、足りなければパスワード生成機でサッと作って差し替えれば安心です。
パスワードの保存と共有
TeamPasswordでは、パスワードが安全に保存され、必要なユーザーと共有できる機能を提供しています。
また、共通のアクセスが必要な人でグループを作ることもでき、アクセスが必要なくなればそのメンバーをグループから外すことができます。
これにより、組織内でのパスワードの管理を効率化し、セキュリティを向上させることができます。
アクセス制御と監査ログ
TeamPasswordには、アクセス制御機能があり、誰がどのパスワードにアクセスできるかを管理することができます。
また、監査ログ機能を利用してパスワードの使用状況を追跡することができ、何かしらの変化があった場合にメールでの通知がされるように設定することもできることから、セキュリティポリシーの遵守を確認することができます。
TeamPasswordで、大切な情報を悪意のある攻撃から守りましょう。無料トライアルでTeamPasswordの強固な機能をぜひご体験ください。